ナオミとカナコ感想・結末・考察
今年1月から全10話で放送されたナオミとカナコの最終回を見て今ブログを書いているわけですが、普段ドラマを全く見ない自分も楽しむことができました。
いや、もうアラフォーなんですけど生まれてこのかたTVドラマをまともに見たことないんです。
どうしても途中で飽きてしまって、例えば半沢直樹とかもみんなが面白いっていうものだからDVDで借りたりしたんですけど、1話目で飽きてしまって続きをみたいとは思いませんでした。
そこまでドラマに興味がない自分がこのドラマを見ることになったのは、家内がいつも同じ部屋で見ていたから何となく気になったことがキッカケでした。
といっても、同じ部屋でも家内はドラマ見ている一方で自分はブログ書いたりしており、全くドラマを見てはいなかったんですよね始めのうちは。
ただし、何となく掛けているだけでも「DV旦那を共謀で殺して死体を埋める話」ということは家内からの話でわかったので、ちょっと面白そうだなと思ったんです。
しかし、殺すにしてもまさか広末と内田有紀が殺人するわけないだろうと思ったんですけど、5話目くらいで本当に殺したものだから、そこから一気に世界に引き込まれましたね。
それまでは、ブログ書きながら流して見ていたんですけど、それ以降は完全にドラマだけ見ていました。
DV旦那を殺してからの展開
当然、DV旦那を殺して一件落着とはならず、旦那の姉に怪しまれてそこから物語は最悪な事態に進展していきます。
まあ、ここは神話の法則ってやつですね。
主人公を谷に突き落とし最後に最も危険な場所に行き着き、何らかのエンディングを迎えるという、ヒット作の王道の展開です。
ここでストーリーを書く気はないですが、とにかくDV旦那の姉に追い詰められるんです。
この辺の展開が非常に面白くて、続きが気になって仕事も手につかなくなってしまったので原作の小説のレビューを見て結末を先に知りましたw
そして、実際にドラマの結末も原作と全く一緒だったと言えます。
ドラマの結末は?(ネタバレ)
ナオミとカナコは出国して上海に逃げようとしますが、ギリギリのところで埋めた死体が発見され逮捕状がおります。
そして、クライマックスは飛行機に乗るのに空港で歩いているナオミとカナコ。
その二人を確保すべく空港になだれ込む警察官たち。
といったカットで物語は終焉します。
つまりは、最後は視聴者の想像にお任せしますという展開で幕を閉じます。
私はこれを見た時に、最終的には捕まってしまったと思いました。
そりゃあ、そうですよね。
空港になだれ込む警察官たちと、これから飛行機に乗るのに歩いているナオミとカナコなわけです。
これではどう考えても飛行機に乗る前に捕まるに決まってるわけです。
ただし、よく見るとナオミとカナコが歩いているのは上海空港だったのです。
実際に飛行機に乗る前には二人共ダウンジャケットを羽織っていたのに、ラストに流れた映像は脱いだジャケットを両手で抱えて空港を歩いていました。
つまり、警官が空港になだれ込んだ時には、すでに二人は上海空港に着いていたので、無事出国できたことになりこの物語はハッピーエンドとなるわけですね。
最後は心憎い演出というか、非常に上手い結末であると思います。
こういった結末は映像でないとなかなか表現するのは難しいと思いますが、小説である原作の方ではどうなんでしょうね。
上海に飛び立った二人を待つ過酷な運命
とりあえずは無事上海に逃亡してハッピーエンドとなりますが、現実問題として女性二人が上海で生きていくのは、けっこう過酷だと思います(いちおう行く先のあてはあるわけでしたが)。
ただし、そこから先のことはここでは問題とされてなく警察の手から逃げられるかどうかというところが本題となっており、逃げたあとの話は物語とは関係ありません。
まあ、上海での生活には不安はあるでしょうが、とにかく逃げられてホッとしたということで、上海空港を歩く二人の清々しい笑顔で物語の幕は閉じます。
しかしながら、自由を手に入れたあとのこれから先の生活の不安を42秒のラストシーンで表現した映画も存在します。
「卒業」(1967年米)では、主人公が結婚式になだれ込んで花嫁と一緒に逃げるというラストシーンがあります。
最終的に主人公と花嫁は結婚式場からバスに乗り込み、そこでラストを迎えます。
かなり話をはしょってますけど、ナオミとカナコ同様に逃げ切って自由を手に入れてハッピーエンドというわけです。
ただし、卒業の場合はバスに乗った二人が初めは笑顔なんですけど途中からシリアスになってくる描写があります。
ここで表現されているのは「現実との対峙」です。
つまり、自由を求めて行動を起こしたけど、ふと現実を見つめてみた時に、これから先に待っているのは漠然とした将来の不安だということに気づいて徐々にシリアスな表情になっていきます。
この名シーンは42秒続いて物語は幕を閉じます。
このように、同じ自由を手に入れた時のラストシーンでも、撮影する人の意図によって全く違ったものになるということですね。
当然、ナオミとカナコの場合は清々しい笑顔のまま終わってくれて問題はないと思います。
間一髪のところを切り抜けて自由を手に入れたわけですから、そのあとの生活の不安なんてそれと比べれば大した問題ではないでしょう。
まあ、とりあえずナオミとカナコのラストを見てダスティン・ホフマンの「卒業」を思い出したので書いてみました。
ナオミとカナコで最も演技の上手かった役者は?
私はドラマや邦画をまったく見ないので、日本人の役者を見ても演技の上手い下手がよくわかりません(苦笑)
ただ、家内は李朱美(社長)を演じる高畑淳子が一番演技が上手かったと話していました。
皆さんはどうでしょうか?
また、作中では利己的でお金に汚い中国人の描写が描かれていますね。
そのへんも、まあもっともらしくて良かったと思うし、結局のところ利己的な李社長が最後は二人を妹と慕って助けるシーンがあったので、利己的な描写に反感を買う中国人は一人もいないんじゃないかと思います。
広末涼子の魅力
流石に綺麗な女優さんが沢山(といっても3人かw)出てましたけど、その中でも広末の可愛さは別格でした。
広末は若い頃には全く興味なくてタイプじゃありませんでした。
にも関わらず、一般的には異常に人気があったのもウザかったし、さらには早稲田大学行って生意気と思ったりで、当時としてはだいぶ嫌いな部類の芸能人でしたね。
しかし、それから時代が経過して久しぶりにドラマで見てみると広末だけ別次元の可愛さって思えるほど可愛かったです。
ナオミとカナコで作者が伝えたかったこととは?
このドラマで作者が伝えたかったことは「友情」でしょう。
ここでは敢えて「女の友情」とは言わずに「友情」と言わせていただきました。
「女の友情」というと何だか、安っぽいものになりますよね。
「友情」に女も男もないし、男である自分が見ても「友情っていいもんだな」と思いましたので、それに関してはよく描かれていたと思います。
あとは、二人は大学時代からの親友だったってところがまたいいと思います。
よく言われるのは「大学生時代の友人は一生の友人になる」ってことです。
自分の場合はそうではなかったけど、一般的にはまあそうなのかなと思います。
高校を卒業して、以前よりも自由になり大人になりかけのあの時期にできる友人ですからね。
私はそれ以前にできた小~中学生時代の多くの友人と長く付き合いを持っていたので、大学生時代には友人と言える友人を作りませんでした。
それだけにナオミとカナコを見てちょっと寂しい気分になりましたね。