日本人の健康寿命を考えてみる

先日、ある労働基準監督署の方と食事に行ったのだが、その時にこんな話をした。

「日本人って個人よりも組織を重んじるのでストレスを溜めやすい性格だと思います。例でいうと有給の平均取得日数が世界最低というだけではなく、その数値も著しく低いことがそれを象徴している。そう考えると国は豊かでも本当に幸せなのかって思うときはあります」

「でもまあ、なんだかんだ言って日本人の平均寿命は世界1位ですので、それはそれで幸せなのかなとも思います。もちろん、幸せって様々な尺度がありますが、平均寿命もその一つの尺度だとは思うんですよね」

しかし、それに対して監督署の方はこんな返答をした。

「平均寿命と健康寿命ってのがあって、実際には健康寿命を見る必要があるんじゃないですかね」

つまり、健康寿命とは平均寿命から寝たきりの期間を差し引いたもののことで、日本人は物が食べられなくても呼吸ができなくても機械で延命処置を取る傾向にあるが、外国ではそこまでの傾向がないので平均寿命が落ちると話していた。
まあ、人間の尊厳というか自然死というものも受け入れる傾向があり、安楽死を認めている先進国も存在している。

ってことで実際の健康寿命はどんな感じなのかを調べてみた。

世界の健康寿命

国名 健康寿命 寝たきり期間
日本 72歳 9.2年
アメリカ 69.3歳 8.0年
イギリス 70.6歳 7.6年
フランス 72歳 7.7年
中国 64.1歳 7.0年
イタリア 72.7歳 7.0年
スペイン 72.6歳 7.0年
ノルウェー 72.0歳 7.1年
キューバ 68.3歳 8.8年

結論としてはそこまで大差ないといった印象だが、1位はイタリアとなっている。

まあ、女性が一人でいたら必ず声を掛ける(ナンパ)という気質の、イタリア人はあまりストレスを溜めそうなタイプではないですよね。
そういったところも健康寿命に現れているのかもしれない。しかも、昼休みは何時間も休憩するし、休日は店を閉めてしっかりと休むし、有給の取得率といい、その全てが日本人に相反しており健康的な生活を送ってそうですよね。

とはいえ、日本人と比較して0.7歳の差しかない為、ほぼ同等と言えますが。

とにかく、早朝より出勤して休憩もロクに取れずに夜に帰宅。休日も月8日限りで有給もバカンスも存在しないという自分の生活を見ていると寿命を縮めているなって気がするし、その一方でイタリア人のスローライフを見ていたら羨ましいと思ってしまいますね。

まあ、何が何でも長生きしたいとう願望はないのですが、やはり寝たきりというのは嫌ですよね。
そして、日本人の寝たきりの期間は世界でも頭一つ抜け出ていますし9.2年間も寝たきりになると思うと、ちょっと目眩がしますよねー。

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